ビジョン
悲しい気持ちの朝、雨が降っていた。
優しい友人たちの励ましメッセージが心を和ませてくれて。
よし、今日の仕事は無心でやろう。
傘を忘れて、雨にしっかり濡れたまま
電車に飛び乗った。
椅子に座り、目を閉じると不思議なビジョンが見えた。
子どものころの私が、泣いていた。
私は子どもの私を引き寄せ
しっかりと抱きしめて、彼女を受け止めた。
彼女は私の胸に顔をうずめ、心を預けている、
感情を開放している。
大丈夫だよ、と彼女の頭にキスをして
愛情たっぷりに抱きしめ続けた。
泣きつかれた彼女は安心して
胸の中で眠った。
電車は目的地に着き、人の群れが動き出した。
私もその群れに混じり、歩き出した。
心が軽く、じんわりと優しいあたたかさを感じた。
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